池田が2015年度に大阪府松原市で行った実践に関する事柄を中心にまとめた、勉強、やる気、ゲームに関する論文が「奈良学園大学紀要第五集」に掲載されました。
学習意欲を「引き出す」のではなく、すでに子供たちが持っているはずのソレを「解放」すると言う視点に立った「解放指向アプローチ」に基づく一連の取り組み(実施後アンケートで参加児童の約83%で勉強との関係に前向きな変化が報告されました)と、その背景についてまとめたものです。
結構面白い内容になったと思いますので「やる気」に興味をお持ちの皆さんは是非ご一読ください。ご意見・ご感想などお聞かせ頂ければ幸いです。
リンク先はPDFファイルです。本文は15000字ほどになりますので、とりあえず要約だけ見ていただいて興味がわいたら続きを読んでいただければと思います。
本文より「要約」のみ抽出
我が国においては、以前より、児童生徒の学習意欲および自己評価の低迷が指摘され、いわゆる「やる気のなさ」が問題視されている。しかし、筆者が複数の小学校で行った児童からの聞き取り結果を、古典的動機づけ理論および近年の無意識研究の成果に照らして鑑みると、彼らの状況は「やる気はある、しかし取り組めない」と評価する方が妥当であると考えられる。そこで、無意識主導の行動決定モデルのもと、意識、無意識両方に働きかけ、児童らが既に持っている学習意欲を抑え込まれた状態から解放し、行動へと繋がりやすくすることを目的に、学習ゲーム体験を軸とした一連のワークショップをデザインし、これを「やる気解放アプローチ」と名付けた。このアプローチを児童(小学4、5年生140人)に試みた結果、アンケートにおいて82.9%の児童に勉強観・自己評価の前向きな変化が見られ、48.6%の児童が、以前よりも勉強を頑張れるようになったと回答した。これらの結果は、やる気解放指向アプローチの有効性、およびその実施のためのツールとしての学習ゲームの有用性を示唆している。
今回は、論文として書いたので、全体に言葉も硬めです。また今後このブログ上などで、もっと平易な表現で分かりやすく書ければと思っています。