お勉強モンスターの紹介(2) – はてな〜?-

勉強モンスター:はてな〜?

こんにちは、まなゲー池田です。
出張授業をさせてもらう時、子ども達に学習ゲーム内に登場する「勉強モンスター」のデザインに挑戦してもらっています。

この取り組みの狙いや趣旨など
(初めてご覧になる方はあらかじめ第一回目をご覧ください)

今回紹介するのはこのキャラクター

勉強モンスター:はてな〜?

勉強モンスター:はてな〜?

【キャラクターの設定】
(デザインした児童生徒自身が記入したもの)

何ごともはてなが浮かんでくる

【コメント】(池田)

記入されたコメントは、ただ一言、これだけです。
この短いひとことに、とても想像をかきたてられます。

疑問は学びの源泉ですが、頭の中が「?」でいっぱいなのだとすれば、それはまた全く別の体験となります。この子がここに託した「はてな〜?」は、どちらの種類のものなのでしょう。

どこかぼんやりとして、途方にくれたようなキャラクターの表情が、あまりポジティブな種類の「?」ではないのかもしれないなぁ、と思わせます。

しかし、絵面から受ける印象と描き手の気持ちが必ずしも一致しないのは、この取り組みから常に教えられることですから、あるいは問いが新たな問いを導く、ポジティブな連鎖のことかもしれません。

そんなことを考えていると、何度か描いては全て消したような形跡のある紙面にも目が行き、このキャラクターに至る前にはどんなのが描かれていたんだろう?この子にとって勉強や教室で過ごす時間はどういうものなのだろう?と想像(妄想?)がひろがっていきます。

子供向け特化のタイピング学習ゲームをつくる(2)

こんにちは、まなゲー池田です。
「子供向け特化のタイピング学習ゲームをつくる」2回目の今日は、問題データを整理していきます。

小学校漢字1006字

小学校で習う漢字は1006文字。読み仮名問題データを作るだけでぞっとしちゃう数ですが、今回はまなゲーらんどで公開中の漢字ゲーム用にずっと以前に作成したcsvデータがありますのでそれをもとに調整していきます。(こういうデータの公開とか共有って需要ありますかね。あったら考えるんですが)

音訓やらありまして1500問以上あるんですが、こいつを先日紹介した「配当漢字チェッカー」を使いながら整理していきます。

この漢字読み仮名データを作った当時は、「習ってない漢字が混ざったってついでに覚えればお得でいいじゃないか」という考え方でした。基本的に考え方自体は変わってないのですが、思うところあって、チェッカーもあることですし、今回は各学年の配当漢字のみでデータを構成していきたいと思います。

配当漢字チェッカーで読み仮名問題データをチェック

早速やってみましょう。配当漢字チェッカーを開いて、調整したいデータをテキストエリアに貼り付け、学年を選んでCheckをクリックします。

すると、チェッカーが作動して、貼り付けたデータ内に含まれる配当漢字と、配当漢字外の漢字を探して列挙してくれ・・・って、あれ?「含まれない配当漢字」が4つもあるじゃないですか!!これまで網羅されていない部分があったことが判明・・・。

※他学年の問題データ間でフォローしあう感じで全体としては1006字網羅されていたようでした;;

過不足分を調整する

不足分を補いつつ、範囲外の漢字を使っている箇所を修正していきます。

例えば下の例だと、「形」(けい)の問題として「形式」を指定していますが、「式」は2年生ではまだ習わないようです。(「チェック範囲」を変えることで、何年生で習うはずか見つけることもできます。)

なので、「形式」以外、2年生までに習う漢字だけで構成できる問題を考えます。今回は「体形」にしました。(「体型」の方が一般的ですかね。間違いではないはずですが、ちょっと気になりますね。※結局「正方形」に変更しました)

という感じで、かなり手間ではありますが、ちまちまと調整していきます。

タイピング向けに作りますので、できるだけ長くなりすぎないようにも配慮しないといけません。今回は、本当にただの報告&配当漢字チェッカーの使い方紹介になってしまいました;;

つづく

Scratchでゲーム制作入門 – マウス操作で迷路ゲーム(5)

こんにちは、まなゲー池田です。
マウス操作で迷路ゲーム」の続きをやっていきます。

前回までの4回で、ひとまず迷路ゲームとしての形は整いました。今日はもうちょっと機能を加えて「おじゃまキャラ」を追加したいと思います。

「おじゃまキャラ」用のスプライトを作成する

Scratchにあらかじめ用意されている様々なスプライト用イメージの中から、今回はこの青いイヌ(Dog2)を選びました。

こいつに、下図のように、初期化と移動用のスクリプトを組み込んでいきます。

これで、初期位置から画面内を左右に行ったり来たりしてくれるはず、なんですが・・・左に移動するときに上下が逆さまになってしまいます・・・。これはちょっと気持ち悪い。

これは、向きを変える(回転)のルールが、そうなって欲しいものとズレているせいです。上下はそのままで左右だけ、向きを変えて欲しいのに、上下もさかさまになってしまうためにこんなおかしな感じになってしまいます。

「回転の種類」を設定してやる

「じゃまイヌ」スプライト(Dog2)の情報を開いて、「回転の種類」を変更してやりましょう。

デフォルト(初期状態)では回転になっているので、矢印のアイコンをクリックして左右反転に変更してあげます。

うまくいきました。これで逆さまのイヌが走ってくる不気味なゲームにならずに済みますね。

歩行アニメーションを作ってみる

ところで、今回選んだdog2は、最初から3つのコスチュームを含んでいて、これをプログラムで切り替えてやると、トコトコ歩く感じにアニメーションさせることができます。

1「dog2-a」と、2「dog2-b」を0.5秒ごとに切り替えるスクリプトを追加してやりましょう。具体的にはこんな感じになります。

dog2-cも面白い絵ですが、歩行アニメーション向きではなさそうなので今回は使わないことにします。

これで「じゃまイヌ」は完成です。中身のプログラムをまとめて載せておきますので参考にしてください。

「ネコさん」が「じゃまイヌ」にふれたらスタート位置へ戻る

おじゃまキャラの準備ができましたので、ネコさんの方のスクリプトにいくつかブロックを追加して「Dog2に触れたら、スタート位置に戻る」ようにします。

これで完成です。旗ボタンでゲームをスタート。じゃまイヌが邪魔すぎで、僕は結局クリアできませんでした;;初期設定(向きや場所)の他、移動速度なども調整して、難度調整をしてみてください。

追記:書きながら今気がつきましたが、このプログラムだとネコさんを移動させずにじっとしていたら、イヌにふれても平気ということにになっちゃいますね。うーん、赤で囲った部分を丸ごとちょっとだけ移動させればOKなんですが・・・、それは自分で試してみてください!

5回にわたってやってきました「マウス操作で迷路ゲーム」、今回でおしまいです。次は何にしようかな。シューティングかアクションか、その辺ですかねぇ。

ではまた!!

Scratchでゲーム制作入門 – マウス操作で迷路ゲーム(4)

こんにちは、まなゲー池田です。
マウス操作で迷路ゲーム」の続きをやっていきます。

第2回目では「荒ぶるネコさんを落ち着かせる」ところまでを、
第3回目では「迷路を作って自由に通れなくする」ところまでをやりました。

まずまず迷路ゲームっぽくなってきましたので、第4回目の今日は、ゴールまでの時間を図る機能を追加したいと思います。

ゴールを作る

ネコさんがそれにふれたら迷路をクリアしたことになる「ゴール」を作ります。
前回の迷路づくりと同じように、新しくスプライトを描きます。モードも前回同様「ベクターモード」で描いていきましょう。

画面右側のメニューから「文字」ツールを選択します。文字を書きたい場所をクリックすると、そこにテキストボックスが現れて文字を書けるようになります。(ただし、残念ながら使える文字は英数字だけです。かな文字や漢字は使えません・・・。)

ゴール(GOAL)の頭文字をとってGとしました。
名前も変更して「ゴール」としておきましょう。

「ゴール」スプライトには特にプログラムを書き込みませんので、これで完成です。
ステージ上でドラッグして、ゴールにしたい位置まで移動させましょう。

タイマーをセットする

以前に作った「タイム」変数を使って、ゴールするまでの所要時間を図る仕組みを作っていきます。以下のプログラムをネコさんスプライトに追加していきます。流れとしては、

旗ボタンがクリックされたら、タイムを0にする(初期化)
その後、1秒待ってタイムを1増やす、をくりかえす

こんな感じですね。

で、このままだと初期化直後に時間をはかり始めてしまいますが、ネコさんをクリックして操作をスタートするまでは、所用時間をカウントするのを待っておいて欲しいので、そのように設定を加えます。

これでいい感じに、タイムがカウントアップされていくようになりました。が、そうです。このままではゴールしてもカウントアップが止まりません。

ゴールについたら、タイマーをとめる

ですので、もう一つスクリプトを追加して、ネコさんが「ゴール」にふれたら、カウントアップを止めるように設定します。

特定のスクリプトだけを狙って止めることはできないのですが、この「ネコさん」スプライト上の他のスクリプトを止めることになり、タイムのカウントアップを止めるのと同時に、ネコさんの移動も止まるので、今回に関しては、ちょうどいい具合になります。

「全てを止める」という乱暴な選択肢もあって、これはこれで手っ取り早くて楽なのですが、何もかもがブツッと切れてしまってゲームの終わりとしてはさみしいです。最初はともかく、慣れたらなるべく使わないように工夫していくことをおすすめします。

シンプルな迷路探索ゲームとしては、ひとまずこれで完成したと言っていいと思いますが、せっかくなので、次回は「おじゃま虫」キャラクターを出して、迷路探索を妨害させてみたいと思います。次回で最終回の予定です。

<おまけ>

「〜まで待つ」というブロック、便利なのでよく使いますが、実はコンピュータは「待つ」ということはできません。「〜まで待つ」は実は「〜まで、何もしないことをひたすら繰り返す」という意味で、下の画像のような処理になっているのです。「〜かどうか調べる」「何もしない」「〜かどうか調べる」「何もしない」・・・を高速でくり返しているわけです。

Scratchでゲーム制作入門 – マウス操作で迷路ゲーム(3)

こんにちは、まなゲー池田です。
マウス操作で迷路ゲーム(1)」の続きをやっていきます。

前回は「荒ぶるネコさんを落ち着かせる」ところまでやりました。

迷路を作っていきましょう

連載3回目にしてようやく、迷路を作りますよ。

迷路は「背景」に書き込むこともできますが、今回は「スプライト」として作ってみようと思います。ステージ右下の「新しいスプライト」のところから、ペン型のアイコンを選んでクリックします。

すると、タブが「コスチューム」タブに切り替わりますので、ここに迷路の「壁」を描いていきます。スプライトを自分で描くときには2つのモードがあって、デフォルト(初期設定)では「ビットマップ」モードになっているのですが、僕は「ベクター」モードをおすすめします。なので右下の「ベクターに変換」ボタンでモードを切り替えます。

そのあと、右側の直線ツールを選んで、壁をえがいていきます。左下のスライドバーでえがく線の太さを調整できますので、好みの太さに調整しましょう。

描き終わったら、作ったスプライトに名前をつけます。デフォルトでは「スプライト2」とかになっていると思います。このままでも使えるのですが、使うスプライトが増えるとどれが何だかわからなくなりますので、今のうちから名前をつける習慣をつけておくのをおすすめします。

スプライトエリアのアイコン左上に「i」ボタンがあるので、それをクリックします。

すると、スプライトの情報が表示されます。今回は「めいろ」と名付けることにします。ここでは名前の変更のほかにも、色々と設定することができます。

壁を通り抜けられないようにする

せっかく描いた壁も、このままでは自由に通り抜けられるただの背景状態です。なので、ネコさん側のスクリプトにプログラムを追加して、壁を通り抜けられないようにしましょう。

「情報」パレットから「〜色に触れた」ブロックを取り出します。ブロック上の色付きの四角1回クリックしてやると、マウスポインタの形が変わります。その状態でステージ上のどこかをクリックすると、その場所の色が対象に選ばれます。

他にもいくつかのブロックを取り出して、下図のように組み上げます。

「進んだ分だけ戻す」ことで「通れない」を実現する

「通れない」というブロックがあれば簡単なんですが、残念ながらそうは行きません。
なので、1回分移動したら、すぐその後に「壁の色」にふれていないかどうかを調べます。で、もしもふれてしまっていたら、こっそり「今きたのと反対方向に1回分戻す」ことで、直前の移動を「なかったことに」してしまいます。

「反対向きに同じだけ」動かすために「-(マイナス)スピード歩動かす」という書き方をします。ちょっと難しいですが、よく使う方法なので、おいおいなれていってください。

今組み立てたパーツを、画像のように前回までに作ったプログラムに追加してやると、ネコさんは壁を越えられなくなります。これで迷路内を探索できるようになりましたね。

<おまけ>

デフォルトの大きさのネコさんでは、大きすぎて通路を通れません・・・。なので少し小さくなってもらいましょう。画像のアイコンをクリックするとマウスポインタが変形します。その状態でステージ上のネコさんをクリックしてあげましょう。クリックするごとに小さくなります。逆に大きくしたい場合は、左側のアイコンをクリックして同じように操作します。

次回は、ゴールを作って、ゴールするまでのタイムを測れるようにしたいと思います。

Scratchでゲーム制作入門 – マウス操作で迷路ゲーム(2) –

こんにちは、まなゲー池田です。
マウス操作で迷路ゲーム(1)」の続きをやっていきます。

マウスポインタの後を追って移動するキャラクターをゴールまで導く時間を競うゲームを作っていきますが、前回まずポインタを追いかけるスプライトを作るところまでやりました。

ネコさんはなぜ「荒ぶる」のか?

ポインタを追いかけている間はいいのですが、追いついた後も立ち止まらず、ポインタの周りを激しく動き回るネコさん。これは、1回あたり10歩ずつ(10ピクセルずつ)移動するネコさんが、いつも最後の1回の移動でマウスポインタを通り越してしまうことが原因で起こります。

通り過ぎてしまうので、反対を向いて戻ろうとする。するとまた通り過ぎてしまうので、また振り向いて戻ろうとする。これを延々とくりかえしてしまうために「荒ぶっている」感じになってしまうのです。

通り過ぎてしまう前に立ち止まるようにしたい

ということで、マウスポインタまでの距離をしらべて、「次の移動で通り過ぎてしまう」とわかったら、そこで移動をやめるようにします。そのままのプログラムが組めればいいのですが、ちょっと工夫が必要で、「マウスポインタまでの距離が、1回に移動する距離よりも小さいときだけ移動する」というように指定してあげなければいけません。

変数「スピード」と「タイム」を準備

これまで1回の移動距離を10としてきました。そのままでいきますが、同じ数をあちこちで使うことになりますし、後で変えたくなるかもしれないので、移動速度を入れておく用に変数を作っておきます。(ついでに後から使うことになる「タイム」変数も作っておきます)

一定以上離れているときだけ移動するようにする

変数の準備が整ったので、これを使って、ネコさんの移動に制限をつけていきます。

  • 初期化の部分で「スピードを10にする」
  • 「ずっと」の内側に「もし、マウスのポインターまでの距離 > スピードなら」を追加

下の画像のように組み上げます。

これでもう、ネコさんが荒ぶってしまうことはありません。

クリックするまで動き出さないようにする

落ちつきのでてきたネコさんですが、旗ボタンクリックと同時にマウスポインタへ向けて突進してくるのもちょっと困ります。クリックされるまで待ってもらいましょう。

「〜まで待つ」ブロックを使って、下図のように追加します。
いくつかの条件を同時にチェックしたい場合には、今回のように「〜かつ・・・」ブロックを使います。

これで、迷路探索の準備がととのいました。
次回は、迷路を作ってその中を移動できるようにしていきます。

Scratchでゲーム制作入門 – マウス操作で迷路ゲーム(1) –

こんにちは、まなゲー池田です。
まなゲーらんどの運営と並行して、僕が直接指導できる範囲に限って、小さなプログラミング教室「まなゲーらぼ」をやっています。

今回からは、マウス操作で迷路を進むゲームを作っていきたいと思います。

マウスポインタの後を追って移動するキャラクターをゴールまで導く時間を競うゲームになります。

マウスポインタを追尾するキャラクターを作る

まずはマウスポインタを追いかけるように移動するスプライトを作ります。
キャラクターを自由に動かせるタイプのゲームを作ろうとするとき、色々なやり方がありますが、一番簡単に作ってみることができるのがこれかなと思います。

「追いかける」は「向き」と「移動」の組み合わせ

ひとまず「初期化」として、最初の向きと座標を決めておきます。
そうしないと、2回目以降のプレイのときに、毎回違う場所からのスタートになってしまいます。他にも理由はありますが、面倒でも「初期化」を行うようにしておくと後々スムーズです。

で、「マウスポインタ」を追いかける、という動作は、ポインタの方を向く、近く、ポインタの方を向く、近く、・・・のくりかえしですから、初期化の後に、その二つをずっとくりかえすプログラムが続くようにブロックを並べていきます。

これで動かしてみると、ちゃんとネコさんがマウスポインタを追いかけてきてくれるのがわかります。

ネコから逃げるようにマウスを動かすと、これだけでも結構楽しいです。
今回は、これでプレイヤーキャラを動かすわけですが、追いかけてくるキャラクターから逃げ回るようなゲームを作ることもできそうですね。

「荒ぶるネコさん」をなんとかしたい・・・

ただ、このままだと、マウスポインタに追いついた後も止まらずに、ブルブルと震えるように行ったり来たりをくりかえしてしまいます。面白い動きではあるのですが、これでは迷路の中を進むのに困ってしまいます。

次回は、これをなんとかして自然な動きにするところから始めたいと思います。

第2回へ進む

Scratchでゲーム制作入門 – 4ブロックモグラ叩きの改造(2) –

こんにちは、まなゲー池田です。
前回「4ブロックモグラたたき」を改造して、制限時間や得点表示をつけました
今回はさらに、BGMと効果音を加えて完成させたいと思います。

Scratchではサウンドを鳴らすのもとても簡単

まずは効果音からやっていきます。
ネコさんスプライトの、「音」タブを開いてみると、すでに1つ音声が登録されています。
「ニャー」というやつですね。これはすぐにならしてみることができます。

「スクリプト」タブを開き、「音」パレットを開きます。

「〜の音を鳴らす」というブロックがあるので、これを既に組んであるブロック群に追加します。

ネコさんがクリックされたら、時間がまだ残っているかどうか確認して、残っていたら「ニャー」を鳴らす。という具合ですね。

これだけで、もう効果音については完成です。ゲームをスタートしてネコさんスプライトをクリックしてみましょう。音がつくとぐっと楽しさが増しますね。

たくさんある組み込みサウンドを使ってBGMをつけてみる

効果音がなるようになったので、次はBGMです。自前で用意したサウンドやネット上で公開されている音源をもらってきて使うこともできますが、今回はより手軽にScratchにあらかじめ用意されているBGM向けの音声ファイルを使ってみることにします。

「音」タブの中、「新しい音」という表示の下に、3つのアイコンが見つかるはずです。1番左のスピーカー型のアイコンを選択します。

すると、用意されているサウンドが一覧表示されます。順番に全部聞くのは大変なのでカテゴリで絞り込みます。今回はBGMに使いたいので「音楽のループ」カテゴリを選びます。

BGM向けのループサウンド(繰り返し再生した時に、終わりと最初がスムーズにつながるように作られたサウンド)がリストアップされました。いろいろ聴いてみて気にいる物を選んでください。

今回は「dance magic」を選択

スピーカー型アイコンをクリックすると表示が変わるので、それを確認してから、

画面右下の「OK」ボタンをクリック!!

「ニャー」の下に、「dance magic」が追加されましたね。

BGMの再生には「終わるまで〜の音を鳴らす」ブロック

BGMの再生専用に、新しく「旗がクリックされとき」を出して、新たなスクリプトを作ります。
「じかんが0まで繰り返す」を組み立てて、その中に「終わるまでdance magicの音を鳴らす」を入れてやります。

「終わるまで」が重要で、これを間違えて「dance magicの音を鳴らす」だけにしてしまうと、前の音がまだなり始めたばかりなのに、新たな再生を次々と始めてしまっておかしなことになってしまいます。

あとは、残り時間を減らしていくループの終わりに「すべての音を止める」ブロックを追加してやります。これで時間切れと同時にBGMの再生がストップします。

ということで、効果音とBGMもついて、モグラ叩き(ネコ叩き?)の完成です!!

キャラクターや背景を変えたり自作したりして、オリジナル作品に仕上げてもいいでしょう。

政府が定める「AIの7原則」はAIブームを失速させるかもしれない

政府の「人間中心のAI社会原則検討会議」が、AIに関する7つの原則をまとめました。

  • AIは人間の基本的人権を侵さない
  • 誰もがAIを利用できるよう教育を充実
  • 個人情報を慎重管理
  • AIのセキュリティーの確保
  • 公正な競争環境の維持
  • AIを利用した企業に決定過程の説明責任
  • 国境を越えてデータを利用できる環境を整備

今回、特に注目して触れたいのはこの2つ

  • AIは人間の基本的人権を侵さない
  • AIを利用した企業に決定過程の説明責任

この2つは、AIの活用に大きな制限を加えることになると思います。

理由のないものの理由を説明せよという要求

というのも、今のAIはビッグデータを力技で解析しまくって、使えそうな相関関係を発掘しては色々試してみる、という感じの仕組みになっていることが多いのですが、例えばAとBに「相関関係がある」ということはわかっても、「なんでそうなのか」は通常わからないのです。

それは、AIの限界というよりも、統計という数学的手法の限界だと言えます。

しばらく前に、AIが囲碁のチャンピオンに勝って話題になりましたが、AIは人間から見ると全く無意味に見える手をちょいちょい打ってくるらしいのです。そして、そのAIを開発・育成した人にも、「なぜAIがそのように結論したのか」は厳密にはわからないのです。

ビッグデータを用いた研究には実にいろいろあって、例えば、顔写真だけを見てその人物の暴力的傾向や犯罪を犯すリスクを判定しようとする研究などもあり、実際に幾つかの外見的特徴とそれらの傾向やリスクとの間に、高い相関関係が見出されました。もちろん、この場合も、なぜそこに相関関係が生じるのか、についてはわかっていません。

なんでか全くわからないけども、そこに相関関係がある、その情報を用いることで、ビジネス上の利益があったり、不利益を被るリスクを減らせたりする。だから使っちゃおう、というのが許されるか否か。この差は非常に大きい。

今回示された方針がどの程度の厳密さと強制力を今後持っていくのかは未知数ですが、「決定過程の説明責任」と言われても、「そんなの誰にもわかりません」となるケースは多いでしょう。「じゃあそのサービスは使用禁止ね」ということになれば、AIを使って様々な「評価」を特に個人や人の集団に対して行おうとしている取り組みには大きなブレーキとなるでしょう。

責任能力のない知性の責任を誰が取るのか

例えば、如何に統計的に有意であったとしても、解雇や不採用の理由が「顎幅が一定以上に広いから」では、当人的には到底受け入れられないでしょうし。その説明が「決定過程の説明責任」を果たすものだと言えるかも、甚だ疑問です。

評価された側が、AIを利用した根拠のよくわからない評価によって不利益を被った、とか不当な評価を受けて基本的人権を侵害された、などと主張した場合、それが妥当なものであると説明する責任を負わされる、というのは導入を検討する企業にとって、相当面倒だし、怖い話だと思われます。

少なくとも今後「これヤバそうだからやめとこう」となるプロジェクトは一定でてくるでしょう。

「責任能力の無い知性」という厄介な代物をどう扱い、誰がその責任をべきなのか、ということが明確に問われ始めています。今後の動向に要注目ですね。

Scratchでゲーム制作入門 – 4ブロックモグラ叩きの改造(1) –

こんにちは、まなゲー池田です。
前回作成した「4ブロックモグラたたき」を改造して、もうちょっとゲームらしくしていきます。
今回追加したい要素は、この二つ。

  • 得点が表示されるようにしたい
  • 制限時間を設けたい

難しくなりそうですが、追加するブロックは全部で11個だけ。
しかも、その中にプログラミング学習上、超重要な要素が色々入っています。
早速やってみましょう。

「変数」を使って見る

得点や制限時間など、プレイ中に変化していくデータを扱うには「変数」というデータの入れ物が必要です。

「スクリプト」タブの「データ」パレットにある「変数を作る」ボタンをクリックします。

すると、変数作成用のウィンドウが開くので「てんすう」と入力して「OK」をクリック。

これで、変数「てんすう」が作成され、使用可能になります。
中に、数値や文字を入れたり、入れた数値を増やしたり減らしたりできます。

同じようにして、もう一つの変数「じかん」を作りましょう。

変数ができたら、早速使ってみましょう。次のことをします。

  • 得点を初期化する(ゲームスタート時に毎回0になるようにする)
  • ネコさんクリックで1点ずつ加算

これを実現するために2つのブロックを追加します。

同じようにして、「じかん」も初期化設定しましょう。
ゲームスタート時に10になるようにします。

これで、旗ボタンをクリックしてスタートすると、ネコさんをクリックするごとに、1点ずつ得点が入るようになったはずです。

「くり返し処理」に挑戦

制限時間が1秒ごとに減って、ゼロになるようにしていきましょう。
「制御」パレットを開いて、中から「〜まで繰り返す」ブロックを取り出します。
(画像にそのブロックが写っていませんね。すいません。もう少し下の方にあります。)

その他必要なブロックを「変数」パレットと「演算」パレットから取り出して、画像のように並べます。

これでスタートしてやると、ちゃんと残り時間が減っていきます。
しかし、「じかん」がゼロになっても、ネコさんをクリックして得点できてしまいます。
これではいけませんね・・・。

「分岐(もし〜なら)」を試してみる

ネコさんがクリックされた時に行う処理の方を改造して、
「じかん」がまだ残っていた時だけ、「てんすう」を増やすように変更します。

「制御」パレットから「もし〜なら」ブロックを取りだして、画像のように組み立てます。

はい!これで、制限時間付き、得点表示ありの「モグラ叩きゲーム」ができました!

あとは、BGMとクリック時の効果音ぐらい、つけてみましょうか。

続きの記事「4ブロックモグラ叩きの改造(2)」を読む