ゲームと暴力犯罪に、因果関係はありません。
暴力的なゲームをしたら子どもが犯罪者になってしまう!的な妄言が、いつまでたっても無くなりませんが、過去にハーバード大学で150万ドルの予算をかけて行われた大規模研究があり、その中には「因果関係がある!」と主張した様々な論文の検証も含まれていましたが、それらの論文は全て妥当性を否定されています。研究全体の結論としては「少なくとも、因果関係があるとは言えない。むしろ抑止的に機能している面すらある」というものでした。
前回も書きましたが、この手のゲーム危険論が繰り返し繰り返しメディアに登場するのは、「ウケるから」、つまり不安に駆られた皆さんがそういう情報を「見るから」です。重要だからでも、事実だからでもありません。
不安を煽る情報と、そうでない情報では、確実に前者がビューを稼ぐことができます。それがわかっているので、収益を意識するメディアは必然的に前者をばらまくことになります。他人の不安こそが彼らの「飯の種」なのですから。
銃や剣を構えて、画面上に現れるモンスターや人を、撃ちまくる、斬りまくる、
こんなゲームに熱中している姿を見て不安になる気持ちはわかります。
が、それを煽って利用しようとする情報に踊らされないことが肝心です。
まぁ、そもそも、ハーバードでの研究結果など持ち出すまでもなく、これだけゲームが普及して、多くの、というか大半の子ども達がリアルな暴力描写のゲームに日常的に触れて過ごし、ゲームで遊ぶ人々の平均年齢が40代に達した現在、もしも、ゲームと暴力犯罪に因果関係なんてものが存在していたら、とっくに我々の社会は崩壊しています。
あまり知られていませんが、1983年のファミリーコンピューター発売以後、今日に至るまで、少年凶悪犯罪(殺人・強姦など)の件数が全体としては一貫して顕著な低下傾向にあることも、ぜひ知っておいていただきたい情報です。
(短期的には、ググーッと上がる時期もあって、そこだけ取り出して利用されるケースも多いです。絶対わかっててやってるだろ!と突っ込みたくなる)
とはいえ、感情とは厄介なもの。不安を煽る情報に触れてしまえば、煽られないようにコントロールすることは困難かもしれません。
ですから、一番手っ取り早いのはおそらく、テレビを見る時間、ネットをうろつく時間を、「大人が」減らし、いい加減な情報に出来るだけ触れないようにすることです。
えー、今から、とても失礼なことを言います。
でも、とてもとても大事なことなので、やっぱり書きます。
僕が嫌われることになっても仕方ない、でも、できれば怒らないで聞いてください;;
そのような情報を鵜呑みにして不安に駆られるということ自体が、大変失礼ながら、あなた自身のメディア・リテラシーの低さを示していると言えるのです。
そのツケを、大事なお子さんに回してしまわないためにも、それを自覚した上で、情報に接する、あるいは触れない、ようにしましょう。
・不安を煽る見出しを発見する
・大事な情報だと思って読む(観る)
・不安に駆られて精神が不安定に
・家族にその悪影響が及ぶ一方で、何も解決しない
こうなるくらいなら、いっそ全く情報に触れないほうが絶対にマシですよね。
せめて2番目を「読まない(観ない)」にできれば随分違います。
無駄に不安にならないこと、そんな不安に子ども(家族)を巻き込まないこと。
あれ、今日も結論は同じ、ということになりました(笑)
次回は、ゲームへの執着(内容そのものでなく)がもたらす問題行動、に触れたいと思います。