このところ、空腹を感じた時に、それが「身体が栄養を欲している」のか「脳が刺激を欲している」のかを観察してみることにしています。
前者はもちろん本来の意味での空腹です。後者はちょっと怪しい言い回しになってしまっていますが、この1年ほど、脳科学者から医師、哲学者、武道家、お坊さんまで実に広い範囲に渡る方々が、その著作の中で身体と脳の断絶を語っているのを頻繁に眼にします。これを考えてみるうえで分かりやすい対象だと思ったのです。
そう思って自分自身を観察してみると、たしかに「お腹減ったなぁ」と感じているのに、実はお腹の中にはまだ以前に食べたものがたっぷり、という状況が少なからずあります。
ちょっとしたストレスを受けた時などに、なぜか空腹になることも多いのですが、これも「食」という快楽刺激を得ようとする脳の働きで、うっかりこれを満たしてしまうと、実際には満載状態の胃腸が大きな負荷を受けてしまう、それがまたストレスを生み・・・という悪循環に陥りかねません。
しばらく観察しているうちに、「自分の身体ひとつとっても、分かっているようで分かっていないのだなぁ」と、変に感心してしまったりします。
無駄食いが減ると眠くなるのも避けられるし、ダイエットにもなるかもしれませんね。まぁ、脳の誘いに負けてしまう事がまだ多いのですけども。